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吉野川の橋の風景

研究計画

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令和5年度 校長研修部会研究計画

1 研究主題

自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る

日本人の育成を目指す小学校教育の推進

-夢と志を持って 多様な人々と協働しながら

持続可能で豊かな未来を切り拓いていく人財を育む学校経営の推進ー

2 研究主題設定の理由

本部会は、令和2年度から新たに設定された全国連合小学校長会の研究主題「自ら未来を拓きともに生きる豊かな社会を創る日本人の育成を目指す小学校教育の推進」のもと、その実現を目指し、真摯に研究と実践を積み重ねてきている。
現在、最先端技術の高度化、グローバル化の進展、少子高齢化の進行等、社会の変化が加速度を増し、先行きが不透明で、予測困難な未来が到来しつつある。社会全体が答えのない問題にどのように立ち向かい、想定外の事象と向き合い主体的に対応したり、協働して不透明な未来を切り拓いたりしていくことが求められている。
このように、予測困難な新しい課題が出現する未来社会を子どもたちが夢と志を持って、豊かに健やかに生き抜いていくためには、初めて出合う様々な課題にも果敢に挑み、多様な人々と協働して知恵を出し合い、主体的に解決したり、創造したりして持続可能で豊かな未来を切り拓く力を身に付けられるようにすることが重要である。
これからの未来社会を豊かに健やかに生き抜いていく子どもたちを育てる学校教育においては、SDGsに代表されるような持続可能な社会の創造者を育成することが求められる。そのためには、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力や人間性」の三つの力をバランスよく育むとともに、子どもたち一人一人の個性や可能性を最大限に発揮させ、個々人の自律性や主体性、創造力、課題解決力などを伸ばしていく学びへの大きな転換を進める必要がある。そして、時代の変化を機敏に捉え、自己肯定感を高めつつ人生を生き抜き、社会の様々な課題を主体的に解決していく力を身に付けた「人財」を育む教育を推進しなければならない。
本県においては、これまでグローバルな視点と地域(ローカル)の視点を兼ね備えた、「グローカル人財」を育成してきた。「グローカル人財」とは、新たな視点をもとに、自分の将来をしっかりと見据え、持続可能で豊かな未来社会を切り拓いていく担い手と捉えている。連綿と続く歴史の中で、先人たちから脈々と受け継がれる「進取の気質や精神」に根ざした教育活動を推進するとともに、可能性に挑戦する「こころいき」や困難に打ち克つ「たくましさ」、人や自然、地域を大切にする「おもいやり」を土台に、「徳島ならでは」の未来教育に取り組み、徳島の未来を担う「人財」の育成を目指している。
我々校長は、子どもたちが大きな夢や高い志を持って、主体的な課題解決に取り組み、多様な人々と力を合わせて解決していく力と、社会の中でともに生きる実践的な態度を育まなければならない。 それは、教育が子どもたちの未来を担っているという自負のもと、未知の世界に果敢に挑戦し、広い視野に立って地域社会や未来社会の創造に貢献する「人財」育成を目指した学校経営を推進することでもある。
以上を踏まえ、副主題を「夢と志を持って、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造し、持続可能で豊かな未来社会の創り手となる力を育む学校経営の推進」と設定する。そして、これまでの研究成果を受け継ぎ、第76回全国連合小学校長会研究協議会徳島大会に向け、大会主題の更なる追究を目指すとともに、学校経営の責任者である校長の果たすべき役割と指導性を究明しようとするものである。

3 研究内容とそのとらえ方

 本部会では,すべての研究分野に人権教育・特別支援教育の視点を基盤に据え,実践・研究を深めるものとしている。

第1研究班 学校経営

<研究課題>

 未来を切り拓く力を育む学校経営ビジョンを示し、活力ある学校組織と経営体制を築いて教職員をリードする校長の在り方

<趣旨>

 多様な価値観や個性が尊重され、高度情報化、技術革新や科学が飛躍的に進展する将来を予測することは難しい。しかし、社会がどのように変化しても、多様な人々とのつながりを保ちながら自らの人生を切り拓き、新たな価値を生み出し、持続可能な社会を創造していくことのできる子どもを育てることは学校の責務である。学校は、自らの責任において、未来社会の創り手となる子どもたちの望ましい姿を思い描き、その育成に向け、主体的・創造的な経営を継続していかなければならない。そのため、校長は、確固たる教育理念をもち、「令和の日本型学校教育」の構築を目指した先見性のある経営ビジョンを内外に明確に示しながら、家庭・地域との協働並びに就学前・中学校との連携の強化を図り、より活力ある学校運営を行っていかなくてはならない。
また、校長は、学校教育の充実を図るため教職員一人一人に自覚と意欲をもたせ、活力ある学校組織と経営体制の確立・運営に強いリーダーシップを発揮する必要がある。

 

<研究の視点>

 

(1) 経営ビジョンを明確にした主体的・創造的な学校経営
(2)学校教育の充実を図るための学校組織づくりと学校経営

第2研究班 教育課程

<研究課題>

 学習指導要領の趣旨の実現に向けた創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善をリードする校長の在り方

<趣旨>

 学習指導要領の理念の一つに、「社会に開かれた教育課程」がある。これは、子どもたちが郷土を愛し、豊かな人間性をはじめ、多様な人々と協働しながら未来社会をともに創りあげていくために求められる資質・能力を確実に育むことのできる学校教育の実現を目指すものである。主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、「指導と評価の一体化」の考え方に立った学習評価の充実等、様々な分野での充実・改善が求められる中、子どもたちに「生きる力」を育むことを目指し、主体的・協働的に学び合い、確かな学力、豊かな心、健やかな体を育む創意ある教育課程を編成・実施しなければならない。
また、いかなる状況下においても、学校全体として、教育内容や時間の適切な配分、必要な人的・物的資源の確保、実施状況に基づく改善等を通して、教育活動の質の向上、学習効果の最大化につながるカリキュラム・マネジメントを確立・推進していかなければならない。そのため、校長は、学校や地域の実態を踏まえながら、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という理念を地域と共有し、将来を見据えた創意ある教育の展望と計画を明確にもち、継続的かつ発展的なマネジメントに取り組む必要がある。

 

<研究の視点>

 

(1) 主体的・協働的に学び合い、豊かな人間性や生きる力を育む学校教育の推進
(2) 学習指導要領の趣旨の実現に向けた創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善

第3研究班 指導・育成

<研究課題>

「令和の日本型学校教育」を担う人材育成をリードする校長の在り方

<趣旨>

 予測困難な問題が出現する未来社会を生き抜く上で、子どもたちに自ら豊かな人生を切り拓いていく力を育むためには、学校の教育力の一層の向上と充実が不可欠である。そのため、校長は、個々の教職員の特性と力量を見極めた上で、個々のスキルアップに向けた取組を支援し、学級経営や教科等の経営等のマネジメント力、危機管理能力や保護者等への対応力といった資質・能力の向上に努めなければならない。
また、学校の教育目標の具現化に向けて組織が効果的に機能し、学校の教育力を発揮するためには、ミドルリーダーの存在が不可欠である。さらに、教職員の急激な世代交代が進行する中、増加する若手教員の育成は喫緊の課題である。このような視点からも、校長は質の高い教育をチームとして実践できる学校づくりを目指し、教職員一人一人の特性やよさを把握し、優れた指導力や職務遂行能力、使命感や学校経営への参画意識等、必要とされる資質を備えた人材を意図的・計画的に育成する必要がある。

<研究の視点>

(1) 教職員の資質・能力を高め、学校の教育力を向上させる研究・研修の推進
(2)次代の学校教育を担う若手教員とミドルリーダー及び管理職人材の育成

第4研究班 危機管理

<研究課題>

 危機管理の視点に立った安全・安心な学校づくりをリードする校長の在り方

<趣旨>

 安全・安心な環境なくして教育は成り立たない。しかし、近年脅威を増す自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の流行、児童虐待及びネット依存による人権侵害等、子どもたちの安全・安心を脅かす状況は深刻である。そのような中、次世代を担う子どもたちに予想しない事態に直面しても自ら判断・行動するとともに、事前に危険を予測し回避する力を養うことが求められている。そのため、校長は、組織的・計画的に教育活動全般を通した安全教育、防災・減災教育を展開していかなければならない。
これら安全に関する教育とともに、いじめや事件・事故等様々な危機への対応と未然防止、発生時の迅速かつ的確な対応等、教職員一人一人の危機対応力の向上と危機管理体制の確立が求められている。そのため、校長は、教職員一人一人の危機管理意識を高め、教職員の組織的な取組はもとより、家庭・地域・関係機関等との連携を強化し、未来社会の創り手となる子どもたちの安全・安心を守る体制づくりを推進する必要がある。

<研究の視点>

(1) 子どもの命を守る安全教育、防災・減災教育の推進
(2) 様々な危機への対応と未然防止の体制づくり、リスクマネジメントの推進

第5研究班 教育課題

<研究課題>

 喫緊の教育課題の解決に向けた取組をリードする校長の在り方

<趣旨>

 激しく変化する現代社会においては、学校を取り巻く課題についても多様化、複雑化しており、学校と地域はパートナーとして、より一層連携・協働することが期待されている。校長は、自校の課題を明確にし、その解決に向けて、地域の人々と目標やビジョンを共有する等、地域と一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校」への転換を図り、郷土を愛し社会の発展に貢献する資質・能力・態度を育む教育活動の推進や課題解決に向けた取組を強化していかなければならない。
また、合理的配慮を重視した特別支援教育や実践的な行動力を育む人権・同和教育の推進、なりたい自分の実現につなげるキャリア教育の充実、持続可能な開発目標(SDGs)の達成等、多様性を尊重し他者と協働しながら全ての子どもたちが希望をもって生涯を過ごすことができるよう、その自立と共生、社会参加を目指した、切れ目ない支援を行える体制の整備が求められている。
それらに加え、学校現場では様々な喫緊の教育課題が山積しており、学校教育をリードする校長は、子ども一人一人が可能性を発揮し豊かな未来社会の創り手となるよう、将来を見据えた「生きる力」を育む教育の実現に取り組む必要がある。

 

<研究の視点>

 

(1) 豊かな未来社会の実現に貢献する力を育む教育活動の推進
(2) 子どもの発達を支援し、「自立・共生」社会の実現に向けた教育活動の推進

4 研究方法

  • 第76回徳島県小学校長会総会並びに研修会令和5年4月21日

 (内容は上記のものと同じです)

令和5年度研究計画の概要

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(1) 研究主題

自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る 日本人の育成を目指す小学校教育の推進
― 夢と志を持って 多様な人々と協働しながら
持続可能で豊かな未来を切り拓いていく人財を育む学校経営の推進 ―

(2) 班別研究内容

班別研究内容(表)
分科会 研究課題
1 学校経営 未来を切り拓く力を育む学校経営ビジョンを示し、活力ある学校組織と経営体制を築いて教職員をリードする校長の在り方 視点 (1) 経営ビジョンを明確にした主体的・創造的な学校経営 (2)学校教育の充実を図るための学校組織づくりと学校経営
2 教育課程 学習指導要領の趣旨の実現に向けた創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善をリードする校長の在り方 視点 (1) 主体的・協働的に学び合い豊かな人間性や生きる力を育む学校教育の推進 (2) 学習指導要領の趣旨の実現に向けた創意ある教育課程の編成・実施・評価・改善
3 指導・育成 「令和の日本型学校教育」を担う人材育成をリードする校長の在り方 視点 (1) 教職員の資質・能力を高め、学校の教育力を向上させる研究・研修の推進 (2)次代の学校教育を担う若手教員とミドルリーダー及び管理職人材の育成
4 危機管理 危機管理の視点に立った安全・安心な学校づくりをリードする校長の在り方 視点 (1) 子どもの命を守る安全教育、防災・減災教育の推進 (2) 様々な危機への対応と未然防止の体制づくり、リスクマネジメントの推進
5 教育課題 喫緊の教育課題の解決に向けた取組をリードする校長の在り方 視点 (1) 豊かな未来社会の実現に貢献する力を育む教育活動の推進 (2) 子どもの発達を支援し、「自立・共生」社会の実現に向けた教育活動の推進

3) 研修活動計画

(表)
月日 名称(開催場所) 内容
R5年4月12日(水) 第76回徳島県小学校長会総会(オンライン開催) 教育講演会(オンライン開催) ・研究主題の発表 ・研修計画の発表 ・校長研修部会の役員選出 ・研修計画の検討と決定 ・講演会
4月21日(金) 第76回徳島県小学校長会総会(教育会館) ・研究主題の発表 ・研修計画の発表 ・校長研修部会の役員選出 ・研修計画の検討と決定
8月21日(月) 県小教研校長研修部会役員連絡協議会(教育会館) ・第64回徳島県小学校長研究協議会の運営計画・諸準備の計画
8月9日(水) 四国地区小学校長連絡協議会(徳島) ・第76回全国連合小学校長会研究協議会徳島大会等について
10月19日(木)20日(金) 第74回全国連合小学校長研究協議会東京大会 ・徳島県の提案発表者なし ・徳島大会に向けての視察
12月6日(水) 第64回徳島県小学校長研究協議会 県小教研校長研修部会役員連絡協議会(教育会館) ・分科会方式で実施
12月日() 主題研究大会校長研修部会 ・本年度研修の反省・来年度の研修主題・研修計画
R6年1月5日(金) 県小教研校長研修部会役員連絡協議会(教育会館) ・研修のまとめ並びに令和6年度校長研修部会研究計画等の検討

 (内容は上記のものと同じです)