• 088-633-1525
小学校長会のタイトル
吉野川の橋の風景

活動方針・事業計画

令和5年度徳島県小学校長会活動方針・事業計画

1 活動方針

徳島県小学校長会は、結成以来、本県の小学校教育の充実・発展のため、真摯な研究と実践を重ねるとともに、教育条件の整備に努め、多大な成果をあげてきている。
現在、最先端技術の高度化、グローバル化の進展、少子高齢化の進行等、社会の変化が加速度を増し、先行きが不透明で、予測困難な未来が到来しつつある。社会全体が答えのない問題にどのように立ち向かい、想定外の事象と向き合い主体的に対応したり、協働して不透明な未来を切り拓いたりしていくことが求められている。
このように、予測困難な新しい課題が出現する未来社会を子どもたちが夢と志を持って、豊かに健やかに生き抜いていくためには、初めて出合う様々な課題にも果敢に挑み、多様な人々と協働して知恵を出し合い、主体的に解決したり、創造したりして持続可能で豊かな未来を切り拓く力を身に付けられるようにすることが重要である。
これからの未来社会を豊かに健やかに生き抜いていく子どもたちを育てる学校教育においては、SDGsに代表されるような持続可能な社会の創造者を育成することが求められる。そのためには、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力や人間性」の三つの力をバランスよく育むとともに、子どもたち一人一人の個性や可能性を最大限に発揮させ、個々人の自律性や主体性、創造力、課題解決力などを伸ばしていく学びへの大きな転換を進める必要がある。そして、時代の変化を機敏に捉え、自己肯定感を高めつつ人生を生き抜き、社会の様々な課題を主体的に解決していく力を身に付けた「人財」を育む教育を推進しなければならない。
本県においては、これまでグローバルな視点と地域(ローカル)の視点を兼ね備えた、「グローカル人財」を育成してきた。「グローカル人財」とは、新たな視点をもとに、自分の将来をしっかりと見据え、持続可能で豊かな未来社会を切り拓いていく担い手と捉えている。連綿と続く歴史の中で、先人たちから脈々と受け継がれる「進取の気質や精神」に根ざした教育活動を推進するとともに、可能性に挑戦する「こころいき」や困難に打ち克つ「たくましさ」、人や自然、地域を大切にする「おもいやり」を土台に、「徳島ならでは」の未来教育に取り組み、徳島の未来を担う「人財」の育成を目指している。
我々校長は、子どもたちが大きな夢や高い志を持って、主体的な課題解決に取り組み、多様な人々と力を合わせて解決していく力と、社会の中でともに生きる実践的な態度を育まなければならない。それは、教育が子どもたちの未来を担っているという自負のもと、未知の世界に果敢に挑戦し、広い視野に立って地域社会や未来社会の創造に貢献する「人財」育成を目指した学校経営を推進することでもある。
本年度は、第76回全国連合小学校長会研究協議会徳島大会に向け、全連小並びに四国地区小学校長会との連携を深めるとともに、小学校教育の更なる充実・発展に向けて、一致団結して歩みを進めていくこととする。

このことを受け、本年度は、次の活動を重点として推進する。

(1) 学校経営の充実

 校長自ら研鑽に励み、学校経営上の課題を明確にし、その解決を図るための確固たる経営方針のもと、「令和の日本型学校教育」の構築を目指し、創意ある教育活動の実現に努める。また、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという学習指導要領の理念の実現を図るとともに、家庭・地域社会と連携・協働し、活力ある学校経営の充実に努める。

(2) 研究活動の充実

 研究主題「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る日本人の育成を目指す小学校教育の推進」に基づき,「郷土を愛し,主体的・協働的に学び合い,豊かな未来社会を創る子どもの育成」を副主題として研究に努め,子どもの成長した具体的な姿を通して実証し,発信する。

 学習指導要領の趣旨の実現に向けた実践を通して,研究主題の視点を踏まえた提言に努めるとともに,創意ある教育課程編成に関する情報交換等を行い,その実践を検証する。

(3)「生きる力」を育む教育課程の編成・実施・評価・改善

 学習指導要領の趣旨を踏まえ、知・徳・体のバランスのとれた育成や、基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成を図るとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努める。
また、言語活動や体験活動、GIGAスクール構想の推進によるICTを活用した学習活動の充実により、主体的に学ぶ力を育むとともに、豊かな心を育む道徳教育の改善・充実を図り、心の教育を一層推進する。そして、人権尊重の精神に基づいた子ども理解を深め、いじめや不登校等への適切な対応、校内組織の整備、教育相談体制の充実を図るとともに、たくましく生き抜くための健康や体力の育成に努めるなど、子ども一人一人に「生きる力」の育成を目指す教育課程の編成・実施・評価・改善や指導方法の工夫・改善を着実に進める。

(4) 教職員の資質・能力の向上

 明確な人材育成方針のもとに、適切な指導・助言を行い、研修体制等の充実を図ることにより,教職員一人一人の専門職としての自信と誇りを育み、学級経営、教科指導、生徒指導などの実践的指導力を高め、資質・能力の向上に努める。

(5) 教職員の処遇改善

 教員が子どもたちと向き合う時間の確保等の教育諸条件の整備や義務教育費国庫負担金制度、「義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」の堅持を強く求めるとともに、これらの精神を十分に尊重し、管理職を含む全ての教職員の職責に相応する適正な処遇が得られるよう要望活動の強化に努める。

2 活動組織

活動組織の構成図

3 各部の活動

(1) 対策部

 徳島県小学校長会の活動方針に基づき、全ての子どもが質の高い教育を受けられることを保障するため、義務教育費国庫負担金制度の堅持及び国庫負担率2分の1の復元、人材確保法の堅持、給特法の改正、学校における働き方改革の推進など、教育諸条件の整備を促進し、小学校教育の一層の充実・向上を図る。
また、少人数学級や専科教員の加配の実現をはじめとした公立小学校教職員定数の改善を実現し、子どもと向き合う時間を確保し、子ども一人一人に「生きる力」を育む活力ある学校づくりを推進し、教育諸条件の整備・充実のため、次のような対策活動を組織的、継続的に行う。

ア 教職員定数・学級編制等の改善

(ア) 活力ある学校づくり推進のための教職員定数の改善及び人的配置
  1. 少人数指導による授業など、きめ細かな指導を可能にする教職員配置の拡充及び校長裁量 による弾力的運用
  2. 生徒指導等に対応する担任外教員の配置増及び小規模校への配置増
  3. 教頭の小規模校への配置拡大及び大規模校等への複数配置
  4. 教員の人員確保及び小学校教員配置基準の引き上げ
  5. 養護教諭の大規模校等への複数配置及び全校配置
  6. 事務職員の全校配置と学校事務効率化・共同化に向けた人的措置
  7. 栄養教諭の配置拡充
  8. 教科担任制の実施に向けた小学校専科教員、GIGAスクール構想及び情報教育推進のための教員やICT支援員等の専門的職員の配置促進
  9. スクールカウンセラー配置校及びスクールソーシャルワーカー・スクールロイヤー配置の拡充
(イ) 学級編制基準改善の促進
  1. 地域・学校の実情に応じた学級編制基準弾力化の促進
  2. 障がいの多様化・重度化に対応する特別支援学級及び通級指導教室の編制基準の改善
  3. 複式学級編制基準の改善

イ 学校経営の自主性・自律性の確立に向けた条件整備

  • (ア) 活力ある学校づくりの推進と魅力ある管理職像の確立に向けた諸条件の整備
  • (イ) 教職員人事、学校予算にかかわる管理職の裁量権限の拡大

ウ 教職員の資質・能力向上のための条件整備

(ア) 現職教育の充実を図る予算措置
  1. 経験や職能に応じた研修の体系的な整備と予算の拡充
  2. 機動的な学校運営を推進するため研修主任及び全ての生徒指導主任への手当の予算措置
(イ) 教員養成制度の改善充実
  1. 教育実習の在り方及び教員養成・採用等の改善
  2. 新規採用教員の計画的採用と配置
  3. 教員を志す優秀な人材の確保

エ 施設・設備・教材等の整備・改善

  • (ア) 子どもの安全を確保するための人的配置及び学校・地域の実情に即した施設・設備の充実
  • (イ) 特別支援教育推進のための指導体制及び施設・設備・教材等の整備
  • (ウ) 学校図書館の整備と図書費の充実
  • (エ) 1人1台端末(タブレット)等情報・通信機器の保守、及びデジタル教科書、プログラミング学習教材、教育用アプリ・クラウドサービス等の充実
  • (オ) 学校業務支援システムの有効的活用に向けたシステム改善
  • (カ) 学習指導要領の趣旨の実現に向けた施設・設備・教材等の整備・充実
  • (キ) 心の教育、体力づくり、健康教育、食育推進のための施設・設備・教材等の充実

オ 教職員の処遇改善

  • (ア) 人材確保法堅持による教員給与の改善
  • (イ) 権限・責任の拡大に見合う期末・勤勉手当の管理職加算増率と該当者増
  • (ウ) 小・中学校と高等学校教員給与体系の一本化
  • (エ) 定年前の昇給延伸・昇給停止の廃止
  • (オ) 管理職の給与体系の改善と管理職手当の増率
  • (カ) 義務教育等教員特別手当の増額及び本俸への繰り入れ
  • (キ) 給特法の改正による教員の時間外勤務に見合った教職調整額等の支給
  • (ク) 保健主事等、各種主任への主任手当支給適用範囲の拡大
  • (ケ) 事務職員・学校栄養職員の国庫負担の堅持と俸給表の号俸増設

カ 退職時及び退職後の処遇改善

  • (ア) 管理職手当の退職手当算定基礎への繰り入れ
  • (イ) 管理職の責任に見合う退職時の処遇の拡充
  • (ウ) 年金制度の維持・改善
  • (エ) 退職後の医療保険制度の改善
  • (オ) 定年延長に伴う働き方への支援及び待遇の改善

キ 教科書無償給与制度の堅持

ク 家庭・地域社会への啓発、広報活動

ケ へき地校・小規模校の教育諸条件の整備充実

(2) 調査研究部

 徳島県小学校長会の活動方針に基づき、創意ある教育課程の編成と実施・評価及び改善に努め,小学校教育のより一層の充実に努める。

ア 小学校教育の現状調査の実施

  • 教育諸条件・要素の調査

イ 当面する教育上の課題の調査とその解明

  • 小教研校長研修部会の研究の推進

ウ 校長としての識見・教養の向上、校長会運営の研究

  • 講演会等の実施

(3) 広報部

 徳島県小学校長会の活動方針に基づき、組織の強化と活動の充実を図り、活力ある学校経営に資するため、積極的な広報活動を展開する。

  1. 徳島県小学校長会報及び研究集録の編集発行による情報提供
  2. 教育諸機関,関係団体との連携
  3. 全連小,四国小,県内各郡市校長会との連携

(4) その他

  1. 事務局運営・事務処理の効率化と経営運用の工夫・改善
  2. 県小学校長会各部活動及び県内各郡市校長会との連絡調整
  3. 全連小、四国小、県教委、教育諸機関、関係団体との連絡調整
  4. 令和6年度の「第76回全国連合小学校長会研究協議会徳島大会」の開催準備
  • 大会実行委員会の新組織づくり並びに業務・進行計画や大会運営要項の作成及び各部会における具体的な取組を進めていく。